2009年3月8日(日)
「市民公開講座〜心臓に障害を持ったこどもがおとなになった時」
座長 岡山大学病院 小児科 大月審一先生
岡山大学病院循環器疾患集中治療部 赤木禎治先生
講演?:内科医からのメッセージ
千葉県循環器病センター成人先天性心疾患治療部
丹波公一朗先生
講演?:心臓医からのメッセージ
岡山大学病院 心臓血管外科 佐野俊二先生
2009年1月11日(日)市民約370名が参加した、先天性の心臓病患者の問題を考える
「市民公開講座〜心臓に障害を持ったこどもがおとなになった時」が、
岡山市駅元町の岡山コンベンションセンターで開催されました。
座長は岡山大学病院・小児科の大月審一先生、同じく循環器科の赤木禎治先生です。
講演?は、内科医からのメッセージとして千葉県循環器病センターの丹波公一朗先生のお話。
先生は、先天性心疾患患者は日本にどのくらいいるのかという話から始められました。
約50万人、年に4.5%ずつ増加しているそうです。
問題点がいろいろあり、再手術したり、不整脈、心不全と出てくるそうです。
一番問題のあるファローについて詳しく説明されました。
そして、心疾患患者の妊娠と出産についても出産を控えた方がよいと考えられている病名などの説明もありました。
また、教育・就職・保険についても・・・
成人を迎える様になり、小児期とは異なる問題点が出て来ます。
今まで根治手術と考えられていた人達も、多くは経過観察を必要とし、年齢とともに不整脈、心不全、再手術と改善しなければ
ならない問題が出て来ます。
そのため大事な事は、定期的な観察を受けること。
受けることにより、合併症の予防、早期治療が可能になるのです。
そして何より、患者本人が自分の病気を理解する事が大切だとお話下さいました。
講演?では、岡山大学病院の佐野俊二先生から、外科医からのメッセージとしてお話がありました。
ファローなどの症例をあげながら、「昔の心臓手術は「生かすこと」が目標でした。
今、複雑心奇形の子どもたちは手術を乗り切れるようになった。
しかし、その後亡くなったり、障害を持って生きてきました。」と説明されました。
2010年代の問題点は、先天性心疾患を理解している医師に診察されている患者が非常に少なく、また正しい情報を与える
医師も少ない事ですと、多くの病院のデーターを元に説明がありました。
現在の心臓手術に求められているものは、合併症をおこさない手術である。
その為には、手術の質を向上させなければならない。
これから成人期になって見つかって治療を受ける人は減少し、小児期に手術を受けた子どもが成長し成人期になっての手術は増加する見込みである。
また、過保護で育て「あの子は心臓病だから、あれもこれもしてはいけない。」と否定的な事ばかり言っていると子ども自身が
否定的な子になる。
最近では「これもあれも出来る。」と出来る事を見つけてやれば脳の発達にも良いと言われている。
医師もそのようにしていると言う様なお話でした。
講演の後半には、患者からのメッセージとして、ファローの患者・春名憲くんと結婚・出産をされた谷本直美さんの体験談が発表されました。
(谷本直美さんのメッセージは2008年・11月の本部報にも掲載されています。)
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